現在、養子を迎える側にはどんな事情があるのでしょう。ここでは、普通養子縁組にみられるような、企業の経営者が跡取りを考えて養子縁組を行う場合ではなく、子供を養子に迎える際の様々な事情をみてゆきます。

特別養子縁組を検討しているケースで多いのは、不妊により子供を授かることが難しい場合が多いです。実際に、特別養子縁組を希望する夫の多くは不妊治療の経験者です。育て親候補の夫婦の年齢は、年を追うごとに高くなる傾向にあります。体外受精や顕微授精といった生殖補助医療の進歩がめざましく、不妊治療をする期聞は長期化し、患者の平均年齢もあがっています。不妊治療はこれまで人工授精が主流でした。しかし、人工授精の次のステップといて体外受精へ、精子や卵子の受精力が弱かったりするケースでは顕微授精へと、医療技術が発展することで、望みのある限り、さまざまな可能性を求めて治療は長期化します。不妊治療により出産を経験した、芸能人等の著名人の例も多くテレビ番組などで取り上げられ、身近に不妊治療を検討することが出来るようになりました。日本では不妊治療回数は世界一というデータがあります。夫婦の6組に1組が不妊の悩みを抱えているといいます。経済的な事情等により、晩婚化が進み、子どもを持つことを考える年齢が上がっています。同時に養子についての検討を視野に入れるケースも考えます。しかし養子縁組という発想は現実的に一般的とはいえないのが日本の現状です。血のつながりのない子供を育てるという発想に転換し、行動に移すことは、心理的にもこえなければならない壁はけして低くありません。また、児童相談書等に登録した場合、養親候補として登録しても、いつ子どもを迎えられるのかはわかりません。数ヵ月後とい う場合もあれば、何年も待つ場合もあります。