現在法務省では、年齢の引き上げも含め、さまざまな観点から法改正が検討されており、12歳未満または15歳未満にするとの2案を軸とし、養親となる夫婦との間に年齢差要件を新設する案も含む報告書が提出されています。経済格差の拡大や離婚率の高まりで、親が育てられない子どもが増えています。他方では晩婚化によって子どもを欲しくても恵まれない夫婦が多く、望まれぬ妊娠や、不妊のケースも多いです。

しかし制度自体の認知度も十分とはいえず、父母の同意がない場合は、特別養子縁組の機会が保障されていない場合が多く、父母の同意を待っている間に6歳、8歳を超えてしまうことも多く、成立へのハードルは高いので、成立件数は増加傾向にあるものの、欧米諸国との比較や、実親以外からの養育を必要とされる子供の数からも、多いとはいえなません。2015年の時点で特別養子縁組成立件数は約550件でその6割が公的な児童相談所の斡旋、4割が民間団体、業者からの斡旋になります。児童福祉はできる限り実の親元で暮らせるようサポートすることが基本のため、実親との縁を切る特別養子縁組は積極的に取り組みにくく、実親の同意が必要になりますが、今は育てられなくても「いつか引き取りたい」と考え。親権を手放したがらない実親が多いことも、伸び悩む原因とされています。

年齢制限の拡大も検討され、2016年の末には「養子縁組あっせん法」が成立しました。斡旋事業がこれまでの届け出制から許可制に変わることと、許可を受けた事業者には行政の補助があります。無許可であっせんを行った場合の罰則も設け、悪質な事業者を排除し、特別養子縁組制度の活用が広がることが期待されています。しかし、さまざまな経済的問題や、人道的問題が解決の困難な障害も多く、そこには日本人の血縁意識の強さも反映されています。