「望まれず」に生まれてきた赤ちゃんを国際養子に出す背景には、戸籍の記載についての問題もあります。

日本の従来の養子縁組制度である「普通養子」では、戸籍上、実の親子の間の扶養義務や遺産相続といった関係がそのまま残されます。

成人の養子も認めており、離縁も協議次第で自由にでき、国の関与を必要としません。「家庭に恵まれない子どものため」というより、「親のため」「相続のため」の養子縁組が長い間、主流だったといえます。

赤ちゃんを産んだ母親の場合も、相手と結婚していなくても、自分の戸籍に「子どもを産んだこと」「その子を養子に出したこと」がわかる形で明記される。赤ちゃんを養子に出す未婚の母の中には、赤ちゃんを産んだ事実を戸籍から消した方が将来にとっていい、と考える人も出てきます。

一方、欧米諸国の養子縁組は「完全養子」が主流です。完全養子とは、養子縁組が成立した時点で、その子と実親との関係が法律上も完全に断ち切られ、養親との聞に法律上、「実の親子関係」が結ぼれることをいいます。そもそも、欧米諸国には戸籍制度がありません。